高卒・未経験からエンジニアに転職できる?現役エンジニアがロードマップや年収を解説
高卒・未経験からエンジニアとしてのキャリアを築き、高収入を得る――。
そんなサクセスストーリーは本当に実現可能なのでしょうか。できるのだとすれば、その方法を知りたいところ。
そこで、ここでは現役エンジニアが実際に経験したエンジニア転職までのロードマップや年収、エンジニアを目指す際の注意点を解説します。
目次
高卒・未経験でエンジニアを目指すのは厳しい?
まずは、高卒・未経験という、転職に有利とは言えない状況にある人がエンジニアになれるのかどうかの点をはっきりさせたいところ。
高収入を狙える技術職・専門職となると、「これといったスキルもないし高卒だし、どうせ無理だよな」「そもそも未経験から転職できるの?」といった諦め・不安の声がいつも上がるからです。
この点、結論から言っていうと、エンジニアになれます。転職できます!
なぜ言い切れるのか。この記事を担当している現役フロントエンドエンジニアの私自身が高卒・未経験の状態からエンジニア転職できたからであり、私以外にも同じような状況で転職できたエンジニアは大勢います。
高卒・未経験でもエンジニア転職できる理由
エンジニアは何よりもスキルが重視されるため、学歴や資格はそれほど大きな要素ではありません。もちろん、企業によっては学歴や資格を応募要件としているところがあるのも事実。
一般的に、経験やスキルが不足している若手は学歴が重視される傾向にありますが、20代半ば~後半になってくるとスキルや経験が重視されるようになります。したがって、エンジニアになってスキルと経験を積み上げていけば応募可能な企業も増えてきますし、最初の頃は諦めていた企業に応募できるようになることも。
また、将来はフリーランスのエンジニアとして高額案件を受注できるようになれば、会社員時代より断然多い収入を得ることも決して夢ではありません。
高卒・未経験は関係ない!エンジニア転職を目指すなら今がチャンス
しかも、IT人材の不足という追い風もあり、エンジニアは今後しばらく需要が続くものと見込まれていますから、今エンジニアを目指すのは好時期だと言って良いでしょう。
経済産業省の調査「IT人材育成の状況等について」によれば、2030年までに不足人数は最大約79万人に達すると予測されています。
(参考:経済産業省「IT人材育成の状況等について」)
「高卒だから」「未経験だから」「何のスキルもないし」と二の足を踏んでいた方は、このチャンスをぜひモノにしましょう。
幸い、今はプログラミング学習の環境が整っていますから、努力次第ではどのような状況に置かれていてもエンジニアになれる可能性がある時代です。
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高卒・未経験からエンジニアへのロードマップ①~学習編~
確かにIT業界は慢性的な人手不足であるため未経験者にも門戸を広く開いていますが、まったくスキルがない未経験者を一から育てる余裕がある企業はごく一部。
ですから、未経験者であっても転職活動を始める前にある程度のプログラミングスキルを習得しておく必要があります。
では、そのプログラミングスキルをどのように学ぶのか――。
実際に高卒・未経験で転職できた私がおすすめする学習方法は以下の2つです。
職業訓練校に通う
まずはハローワーク等で紹介されている職業訓練校に通う方法です。
職業訓練校とは、求職中または失業中の方向けに特定の技術を教える学校のことをいい、国や地方自治体が主体となって運営しています。
医療事務や介護、保育、CADオペレーター、ネイリストなど就職しやすい”手に職”のコースが複数用意されていますが、プログラミングもその一つ。
テキスト代以外は基本的に無料で受講できるうえ、キャリアコンサルタントから転職支援を受けられます。
職業訓練校を経て転職した人は意外にも多く、サービス自体は無料ながらも侮れません。
<職業訓練校のメリット>
・無料で専門的な教育が受けられる
テキスト代以外は無料で受講できるため、失業中で経済的に余裕がない場合には便利です。
・失業手当を受け取りながら訓練ができる
就業中に雇用保険に加入していると失業した際に失業手当を受けられますが、職業訓練校のコースを受講すると給付期間を延ばせる場合があります。
<職業訓練校のデメリット>
・地域によって受けられないコースがある
地域ごとに用意されているコースが異なるため、居住地によってはIT系のコースがない可能性があります。
・選考がある
職業訓練校のコースを受講するには書類選考や面接、筆記試験をパスしなければなりません。転職活動のときほど厳しい選考ではありませんが、受講希望者が多い人気コースになると、やはり選考で高評価だった応募者が優先されますから油断はできません。
不合格になっても再度応募できますが、募集がかかるまでの間は時間のロスとなるため、急ぐ場合は他の方法を検討した方がよいでしょう。
・定員がある
定員が数十人程度のことが多いため、受講できない可能性があります。
また、職業訓練校から委託を受けた民間の訓練機関が提供するコースの場合、定員割れが発生すると授業自体がなくなってしまうことも。
プログラミングスクールに通う
そして私が最もおすすめする学習方法は企業が運営しているプログラミングスクールへの入学です。
費用はそれなりにかかりますが、カリキュラムや教材が充実していることが多く、プログラムの初心者向けのコースや講座を受講すれば、まったくの未経験者でもプログラミングの基礎知識から実装までの総合的なスキルが身に付きます。
最近ではこうした民間企業によるプログラミングスクールを経てエンジニアになる方が増えています。
<プログラミングスクールのメリット>
・オンラインスクールなら場所や時間を問わず学べる
オンライン学習が可能なスクールの場合は、自宅で早朝や夜間に授業を受けられます。
学習時間を確保しやすいので在職中の場合でも無理なく学習できるでしょう。
・短期間で集中的に学べる
プログラミングスクールは数ヶ月程で卒業できるカリキュラムが多いので、転職を急ぎたい場合はスクールで集中的に学ぶのがおすすめです。
・転職サポートを受けられる
求人紹介や転職保証(転職できなければ受講料を返金、修了後は自社で採用など)のサービスを提供しているスクールもあり、本気でエンジニアを目指している方にとってはうれしいサービスです。
<プログラミングスクールのデメリット>
・費用が高額
プログラミングスクールの受講料は数十万円と高額になることが多く、トータルで100万円近くかかる場合も。一括で支払えない場合は分割払いを利用できることもありますが、万が一途中で学習をやめてしまった場合は残りの支払いだけが続き、結局何も得られないどころかマイナスになる点は注意したいところです。
行政の制度で給付金を受けられるスクールもありますので、費用を抑えたい方はそういったことも調べてスクールを選びましょう。
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高卒・未経験からエンジニアへのロードマップ②~ポートフォリオ編~
一通り学習したあとは、今のスキルをフルに活用してオリジナルのWebアプリやWEbサービスを作ってみましょう。入学したプログラミングスクールの卒業制作としてポートフォリオを作る場合はそちらで構いません。
ポートフォリオでよく制作されるものとしてはショッピングサイト、レストランや映画の予約アプリ、口コミサイトなどが挙げられます。
ポートフォリオ制作後はそれはGitHubにアップしましょう。GitHubでソースコードを公開することで、スキル面を正確に評価してもらいやすくなります。
言うまでもありませんが、ポートフォリオは完成度の高いものを作りましょう。スキルを証明する唯一の手段になりますから、ここで手を抜かないように注意してください。
「自分の書いたコードに自信がない……」という場合は、プロエンジニアにコードをチェックしてもらえる『レビュマ』のようなサービスを利用してみましょう。プロのチェックが入れば、完成度は一気に上がります。
高卒・未経験からエンジニアへのロードマップ③~転職活動編~
ポートフォリオが完成したら、次は山場となる転職活動です。未経験者が取りうる選択肢は次の2つ。
未経験歓迎の求人に応募する
最初にご紹介するのは未経験歓迎の求人に応募する方法です。
エンジニアの派遣サービスをメインにしている企業(いわゆるシステムエンジニアリングサービス、通称SES)の中には、未経験者を積極的に採用し、自社で教育したうえで取引先企業に派遣しているところがあります。
企業としては新入社員の教育に初期費用がかかりますが、長い目でみたときにエンジニアの数が増えるほど売り上げを増やせるメリットがあります。
20代の場合は企業から成長の伸びしろがあると見なされることが多いので、「エンジニア SES 募集」「SES 未経験 研修あり」などと検索して、気になる企業に応募してみましょう。
ただし、一部の企業ではすぐに利益を出すため、まともな研修をせずベテランばかりの現場に派遣するところがあります。すると、基礎ができていない状態で難易度の高い業務にあたるため付いていけず、退職者が続出することに。
この方法を選択する場合は企業情報をはじめ、研修内容や案件の種類、離職率などを入念に調べておくことをおすすめします。
転職エージェントを利用する
20代かつプログラミング経験者であれば、転職エージェントを利用することも積極的に検討しましょう。
転職エージェントとは、人材を募集している企業と求職者をマッチングさせる人材紹介会社のことをいい、求職者側には転職の仲介や転職活動のサポートなどのサービスがあります。
転職エージェントは企業に最適な人材を紹介し、採用された場合に発生する紹介手数料で利益を得ているため、求職者側がサービスを利用するにあたり何かを支払うことはないので安心してください。転職エージェントは基本的に無料です。
20代は求人数が豊富なのでエージェント側も親身になってサポートしてくれることが多いですし、若い世代にはポテンシャルがあるので学歴や経験の有無はあまり気にしなくてよいでしょう。
ただし、実務経験ゼロの状態でエンジニア職に応募できる求人は本当に限られます。
場合によってはIT企業の営業職や事務職を紹介されることがある点は覚えておきましょう。
エンジニアに転職するのに資格は必要?
上のロードマップでは資格について触れていません。専門職になると資格を要求されることが多いため不思議に思われたかもしれませんが、ITのエンジニアになるのに資格は必須ではありません。
しかし、しかし、資格を持っていることは、専門知識やスキルを証明する一つの方法として有効ですし、就職やキャリアアップにおいて有利に働くことがあります。
未経験者の場合は資格取得よりもプログラミングやIT・Webの知識の習得、ポートフォリオの制作を最優先すべきですが、余力がある方は次のような資格の取得を目指してみても良いでしょう。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は独立行政法人 情報処理推進機構が主催する国家資格で、ITの基本的な概念やビジネスの現場でのITの利用に関する知識・理解が問われます。ITの基礎、ビジネスモデル、法規制、セキュリティ管理など、幅広いテーマをカバーしており、ITの入門資格としておすすめです。
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基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はITパスポート試験と同じく独立行政法人 情報処理推進機構が主催する国家資格です。エンジニアとして働くための基礎的な知識と技術を認定するもので、IT業界でのキャリアを目指す初心者から中級者向けの試験として位置付けられています。
ITパスポートはITリテラシーの基礎的な知識に重点が置かれていますが、基本情報技術者試験はプログラミング、システム設計、ネットワーク、データベース管理など、より専門的で実践的なテーマをカバーしてます。そのため、難易度は基本情報技術者の方が高いとされています。
高卒・未経験でエンジニア転職できた場合の初年度の年収
晴れて転職できたところで次に気になるのは年収ではないでしょうか。
この点、実務の経験がない場合は年収300万円程度、場合によってはその金額を下回る可能性があります。
新卒とほぼ同等レベルであるため理想的な金額ではないかもしれませんが、経験を積んでいけば500万円、700万円はもちろん、10o0万円も決して夢ではありません。
最初が踏ん張り時であることを忘れないようにしましょう。
未経験でエンジニアを目指す場合の注意点
高卒・未経験はエンジニアを目指すうえでまったく問題になりませんが、経験者として2つ注意点があります。この2点でつまずくと、立ち直るのに時間がかかってしまうので留意しておいてください。
独学は避けた方がベター
個人的に、最もおすすめできない勉強方法は独学です。理由はわからないことや不安が積み重なると、結局挫折しやすくなるから。
高卒・未経験でエンジニア転職した私がここで強く言いたいのは、「できないこと・わからないこと・難しいことは人に頼りましょう」ということ。
現実問題、転職できる年齢はある程度限られているので、わからないことに延々と時間を費やしている場合ではありませんし、新しいことを吸収できる頭の柔らかさも有限です。
人に頼ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、人々の「できない」が需要となり、仕事となり、経済を回していると考えれば、少しは気が楽になるのではないでしょうか。
需要の高いプログラミング言語を選択する
プログラミング言語には文法のほか、習得難易度や需要度による違いもあります。
未経験者の方は需要が高く、求人数も多いプログラミング言語を優先的に選んでください。需要の低い言語を選んでもなかなか求人が見つからず、転職活動で非常に苦労します。
最初から間違った選択をしないよう、プログラミングスクールのスタッフやIT業界の知人・友人に聞いたり、書籍やインターネットでよく調べたりしてみましょう。
なお、需要の高い言語としてよく挙げられるのは、
- Java
- JavaScript
- Python
- Ruby
- PHP
- C言語
などです。
まとめ
繰り返しますが、エンジニアを目指す現時点で学歴や高度なスキルは不要です。
行動するのが早ければ早いほどエンジニアとして活躍できる時間が長くなりますから、エンジニアという仕事に強い関心がある方はバックグラウンドを気にせず、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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