ITパスポートって役に立つの?取得のメリットや難易度、役に立つ人の特徴を解説
ITパスポートは認知度の高いIT系の国家資格ですが、「役に立つの?」とその意義を疑問視されることが多いのが現状です。実際、ITパスポートの試験で出題される内容は基本的なものばかりであり、専門知識を必要とするかと言われれば、そんなわけではありません。
しかし、ITパスポートを取得することで基礎的な知識が身に付き、今後IT関連の職に就く方にとってはアドバンテージとなります。
そこで、ここではITパスポートの資格概要や取得することで得られるメリット、「役に立つの?」と疑問視されている理由等についてご紹介します。
また、ITパスポートが役に立つ人についても触れているので、ぜひ参考になさってください。
目次
ITパスポートとは?
ITパスポートは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する、ITの基礎的な知識があることを証明する資格です。主に初学者や実務未経験者を対象としており、ITの基礎を学ぶための入門的な資格として認知されています。
情報技術は私たちの生活のあらゆる側面に浸透しており、それに対応するためには基本的な知識が必要です。ITパスポートはコンピューターシステムやネットワーク、セキュリティなど、ITに関連するさまざまなトピックについて網羅的に学べる資格であるため、年々その存在感を増している資格といえるでしょう。
また、ITの基礎知識があることを証明できるITパスポートの取得は、就職活動においても有利に働くことがあります。学習内容は初心者でも理解しやすいものになっていますから、資格取得のために勉強を続ければITの世界に足を踏み入れる良い機会にもなるでしょう。
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ITパスポートの難易度
ITパスポートの試験の出題内容は比較的容易といわれており、専門知識がなくても勉強を続けていけば十分合格可能な資格です。とはいえ、まったく勉強せずに合格できるわけではありません。
ITパスポートに合格するためには、設定されている以下のような2つの合格ラインを満たす必要があり、合格率は50%前後となっています。
- 総合点が6割以上
- 全3分野の得点が3割以上
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ITパスポートの試験内容と出題範囲
ITパスポートの試験では3分野の試験が行われ、それぞれの得点が300点以上を超える場合、かつ総合点が600点以上の場合にのみ合格します。
試験を構成する3分野は以下の通り。試験は、コンピューターに表示された試験問題をマウスやキーボードで回答する「CBT方式」です。
- ストラテジ系(経営全般):35問程度
- マネジメント系(IT管理):20問程度
- テクノロジ系(IT技術):45問程度
※各1,000点満点
ITパスポートの出題範囲
ITパスポートの出題範囲の各分野の大まかに分けると次のようになります。
- ストラテジ系:企業と法務、経営戦略、システム戦略
- マネジメント系:開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
- テクノロジ系:基礎理論、コンピューターシステム、技術要素
ITパスポートに合格するためにかかる勉強時間
合格するために必要な勉強時間は個人の学習スピードによりますが、一般的には約100〜150時間だとされています。ただし、まったくITに触れたことのない方の場合は200時間に及ぶことも。一見すると勉強が大変そうだと思われるかもしれませんが、ITパスポートは他の国家資格と比べると学習時間は少ない方であり、集中して勉強すれば短期間で取得可能です。
ITパスポートを取得するメリット
ITパスポートのことをネット検索すると「意味ない」「役に立たない」といったネガティブな言葉が一緒に出てきますが、実際は次のような複数のメリットがあるお得な資格です。
ITの基礎知識が身に付く
ITパスポートを取得することで、コンピューターやネットワーク、セキュリティなどの基礎的な知識を習得できるので、プライベートでも仕事でもさまざまな場面で役に立ちます。
現代は仕事でもプライベートでもパソコンを使わないことの方が珍しく、ITを利用するのであれば最低限の基礎知識は必須です。
就職に役立つ
ITの基礎知識を習得することは、就職活動において有利な要素となります。特にIT業界への就職においては一定の評価を受けることがあるでしょう。業界未経験者であればなおさらです。
資格取得支援の補助金、資格手当が支給される
所属する企業や自治体によっては、ITパスポートの資格取得支援のための補助金が支給される場合があります。
また、ITパスポートの資格取得者は資格手当を支給される場合があり、支給が決定すれば若干の年収アップが狙えるでしょう。
基本情報処理技術者の試験範囲と重なっている
ITパスポートは、基本情報処理技術者の試験範囲と重なっている部分がたくさんあることで知られています。そのため、ITパスポートを取得することで情報処理技術者の資格も効率よく勉強でき、取得も容易になるのです。
認知度が高い国家資格
ITパスポートは日本国内で非常に認知度が高い国家資格です。しかし、難関ではないため、集中して勉強すれば短期間で取得可能ですから、コストパフォーマンスの良い国家資格だといえるでしょう。とにかく認知度がありますから、就職活動ではITの基礎知識が備わっている応募者として一定の評価につながりますし、IT業界であれば採用担当者に専門性を高めるために努力している人材であることをアピールできます。
大学で取得可能 単位認定される場合も
一部の大学では、学部や大学院のカリキュラムの一環としてITパスポートの取得を推奨しています。取得することで単位認定してくれるところもあるため、学業面でもプラスになります。
学費が免除される場合がある
一部の大学や専門学校ではITパスポートを取得することで、学費の一部が免除されることがあります。なお、ITパスポートの取得は大学入試においても優遇されることがあるので、高校生にとっても学ぶ意義のある資格です。
ITパスポートは「役に立たない」などといわれる理由
上記のように、さまざまなメリットがあるITパスポート資格ですが、一方で「本当に役に立つの?」「あまり意味がない」などと資格としての価値を疑問視する声もあります。
なぜなのでしょうか。
希少性の高い資格ではない
ITパスポートは比較的多くの人が取得している資格です。前述のように、ITパスポートの合格率は50%前後ですから、IT業界では他の資格と比較して希少性が低いとされています。
専門性は高くない
ITパスポートはITの基礎知識を習得することを主な目的としています。そのため、極めて高い専門性が要求される職場ではそれほど効力を発揮しません。
業務独占資格ではない
ITパスポートの資格取得者しか携われない職種や業務はありません。たとえば、医師資格や弁護士資格等は資格がなければその仕事ができませんし、無資格者はその仕事に携われないので「業務独占資格」となりますが、ITパスポートにはそうした効力はありません。
そもそも、IT業界はほとんどの職種で資格は不要ですから、ITパスポートについて業務独占資格であるかどうかの判断基準を持ち出すのは的外れでしょう。
ITパスポートの資格取得に向いている人とは?
最後に、ITパスポートの資格取得が役に立つ人の特徴を挙げます。該当する場合は受験を検討してみてはいかがでしょうか。
ITリテラシーが高くない人
ITの基礎知識が身に付くITパスポートの勉強は、ITリテラシーが低いことを自覚している方には非常に意義があります。資格取得を目指して勉強していけば、日常生活や仕事でITを積極的に活用できるようになるでしょう。
ブラウザの仕組みを理解できていなかった人がITパスポートを取得してからプログラミングの基礎理論を知り、そのまま勉強を続けてコードを書けるようになったという話もあります。
履歴書に書ける資格が欲しい人
ITパスポートは取得が比較的容易であるため、「履歴書や職務経歴書に書ける資格が欲しい」と考えている方には最適です。履歴書が空欄で寂しいと感じている場合は受験してみてはいかがでしょうか。
IT関係の仕事に就きたい人
前述の通り、ITパスポートはIT業界への就職において有利に働きます。確かに、この資格一つで採否が決定するような大きな威力はありませんが、業界未経験者や若手のエンジニア志望であれば、ITの基礎知識があることを証明できるITパスポートを取得しておいて損はありません。
これから新卒の新入社員として就職予定の人
ITパスポートは新入社員として就職予定の方にもおすすめです。特に、学校のレポート作成以外はすべてスマホやタブレットで用事を済ませていたような場合は、ITパスポートの資格取得を強くおすすめします。というも、現代の仕事ではパソコンを使わないことの方が珍しいうえ、入社後は社内SE(社内システム企画)に配属される可能性もあるからです。
そして、どのような業界であってもITの知識があることはアドバンテージになりますから、「社会人として恥ずかしくない程度にITを知っておきたい」という方はITパスポートの資格取得を前向きに検討してみましょう。
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まとめ
ITパスポートは、ITの基礎知識を身につけるための資格です。取得することでITリテラシーの向上や就職における有利な要素となることがあります。ただし、専門性や希少性はそれほどないので、その点は認識しておく必要があります。
とはいえ、このIT時代においてITの正しい知識があることは大きなアドバンテージになりますから、今回ご紹介した内容も参考に取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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