JavaScriptとは何なのか?できること・作れるもの、難易度、基本文法などを初心者向けに解説
JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語です。
HTMLやCSSと組み合わせて使用されることが多く、さまざまなWebサービスやアプリケーションの開発に欠かせないツールとして位置付けられています。
ここでは、JavaScriptの基本文法から習得難易度、実際の開発事例まで、JavaScriptの魅力と可能性を詳しく解説します。
目次
プログラミング言語「JavaScript」とは何なのか?
JavaScriptとは、Webサイトに動きを付けたり、入力フォームの選択候補を動的に表示させたりすることが得意なプログラミング言語です。
多くのWebサイトは、
- HTML:見出しや段落を付けたテキストと画像を表示する
- CSS:文字の大きさ、文字の色、背景の色などを設定する
- JavaScript:HTMLやCSSでは表現できないメッセージボックスの表示や入力フォームのエラーメッセージ表示などWebサイトに動きを付ける
以上の3要素から構成されているので、Web制作やフロントエンド開発には欠かせない言語だといえるでしょう。
また、Webブラウザ上での動作に特化しているため、Webサイトの制御に用いられクライアントサイドで使用されることが多いですが、現在ではサーバサイドで動作するNode.jsの登場により、Webアプリ開発だけでなく、Webサーバ構築、スマホアプリ開発、モノとインターネットを繋げるIoT開発など様さまざまな分野で利用されています。
クライアントサイドからサーバサイドの処理まで一貫してJavaScriptの技術を活用できるので、学習コストを大幅にカットできる点も特徴。こうしたことから、JavaScriptはプログラミング初心者からバックエンド領域の上級エンジニアまで幅広く支持されています。
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JavaScriptでできること・作れるもの
JavaScriptでできることは多岐にわたりますが、ここでは“できること・作れるもの”の代表的な例をいくつかご紹介しましょう。
JavaScriptでできること
動きのあるWebサイトの開発
読み込み中のローディングアニメーションが表示されたり、背景画像がスライドされたり、雪が舞う演出がされたりするWebサイトを見かけることがあると思いますが、JavaScriptはそのような“動き”のあるWebサイトの開発を得意としています。
ポップアップの表示
Webサイトで警告のポップアップが表示されることがありますが、JavaScriptで実現できます。
種類は多種多様であり、jQuery のようなJavaScriptライブラリを使用することでスタイリッシュなポップアップや可愛いポップアップを表示できるようになります。
フォームの入力チェック
JavaScriptでは、ショッピングサイトのユーザ登録画面でよく見かける電話番号フォーム入力時の桁数制限や、数値以外が入力された場合のエラーチェックを実行できます。
また正規表現を使用できるため、メールアドレスのチェックや複雑な入力チェックを自作して使用することも可能です。
Ajax・非同期通信
JavaScriptはAjaxを使って非同期通信を行えるので、サーバと通信中でも別の処理を引き続き行えます。
リアルタイムで情報が更新されるX(旧Twitter)やGmailのようなサービスは非同期通信の良い例で、この通信方式が採用されているからこそスムーズにブラウザを操作できるのです。
逆に、同期通信はWebページの情報がサーバから読み込まれるまで待たなければならないため、サーバからの応答が返ってくるまでブラウザの操作ができず、待ち時間が長くなってしまうことに……。
この点、Ajaxの技術を活用すればサーバとスムーズなやり取りが可能になり、待ち時間を感じさせないレスポンスの高いWebサイトを実現できます。
グラフチャートの描画
JavaScriptのライブラリとして用意されているChart.jsを使用することで、折れ線グラフや棒グラフ、円グラフ、レーダーチャートなど鮮やかで綺麗なグラフを簡単に描画できるようになります。
Webアプリ開発では、サーバ側でDBから取得したグラフに表示するデータをCSV形式やJSON形式などに加工し、受け取ったクライアントサイドのChart.jsとAjax・非同期通信でリアルタイムにグラフ描画されるような使われ方をします。
Webアプリケーション開発
JavaScriptでは、サーバサイドで動作するNode.jsのために用意された軽量で柔軟なWebアプリケーションフレームワークであるExpressを使用することで、クライアントサイドとサーバサイドの両方でJavaScriptを使用したWebアプリケーションを開発できます。
Webアプリケーションのサーバサイド実装といえばJava、Ruby、Python、PHPのような言語の利用が多いですが、JavaScriptでもExpressを使用することで十分可能になるのです。
スマホアプリ開発
スマホアプリを開発する言語といえばiOSはObjective-CやSwift、AndroidはKotlinやJavaが有名ですが、Node.jsを利用すればHTML/CSS/JavaScriptでスマホアプリを開発できます。
JavaScriptに慣れている場合は他の言語で開発するための学習コストを削減できますし、AndroidとiPhone双方同じソースで対応できるのはNode.jsで開発する大きなメリットになります。
IoT分野の開発
インターネット経由でセンサーと通信機能を持ったモノを繋げるIoTの分野でも、Node.jsを利用して開発できます。
IoTデバイスとして有名な「Arduino」や「Raspberry Pi」はJavaScriptを含めたさまざまな言語に対応しているので、IoTセンサーと接続することで光、音、温度などのセンサ情報をNode.jsでプログラミングを組んで取得できるようになります。
ブラウザで動くゲームの作成
HTML5ではグラフィックを描画できる要素としてCanvasが提供されています。
CanvasはHTML要素と同じようにJavaScriptから制御でき、グラフィック関連の機能が多数提供されていますから、要素内であれば自由度の高い描画を行えるため、JavaScriptを使ったブラウザで動作する幅広いジャンルのゲーム開発が可能です。
Webサーバー構築
実はNode.jsを使用してWebサーバーに構築も可能です
たとえば、下記のようなたった1行のコードだけで、必要最低限の機能を持った簡易サーバーを構築できてしまいます。
require(‘http’).createServer(function(request,response)
{response.end(“Hello World”);}).listen(3000);
JavaScriptで作れるもの(開発事例)
便利ツール
JavaScriptはブラウザ上で実行できるため、HTML/CSS/JavaScriptを組み合わせることで便利なツールを開発できます。
JavaScriptでは他の言語と同様に加減乗除を行えるので、「+」「-」「×」「÷」のボタンを配置して入力値と出力値が正しく動作するプログラミングを組むことで電卓だって簡単に開発できてしまいます。
他には、乱数機能を使ったパスワード自動生成ツール、タイマー機能を使ったストップウォッチ、日付ライブラリを使用したカレンダーなども様々な開発可能です。
Webアプリケーション
JavaScriptでできることで解説した通り、Expressを使用してクライアントサイドとサーバサイド両方のWebアプリケーションをJavaScriptのみで開発できます。
ExpressはMySQLやMongoDBなどのデータベースに接続して値を保存したり取得したりできるため、アイデア次第で多種多様なWebアプリケーションの開発が可能なのです。
たとえば、株取引アプリをExpressで開発したい場合には、DBに格納された株取引情報をサーバサイドで取得する処理を実装して、クライアントサイドに渡したいデータをChart.jsを利用して株価チャートグラフで描画して表示するといった具合に、ほぼJavaScript言語のみでWebアプリを開発できます。
他にもアイデア次第でチャットアプリ、動画アプリ、X(旧Twitter)のSNSクローンアプリの開発も可能です。
ただし、上述の通り、サーバサイドとクライアントサイドの処理をJavaScriptで開発できますが、実務では状況が異なります。実際はフロントエンドの処理はJavaScriptのフレームワークを使用し、サーバサイドは業務システムやWebアプリ開発に強く応用が利くJavaやRubyなどが使われることが多いです。
ゲーム
HTML5ではCanvasが提供されているため、JavaScriptを使ったブラウザで動作するゲームの開発や、Node.jsフレームワークを利用してHTML/CSS/JavaScriptを使ったスマホゲームを開発できます。
つまり、自由自在にオブジェクトを配置してJavaScriptでコードを書いて判定できるので、シューティングゲームを開発したいのであれば機体オブジェクトを配置して、ミサイルが飛んできて機体に当たったらライフを減らすといった具合に、アイデア次第ではさまざまなゲームを開発できるわけです。
スーパーマリオブラザーズのようなアクションゲーム、ドラゴンクエストのようなロールプレイングゲーム、テトリスのようなパズルゲームも開発可能なので、JavaScriptはゲーム開発の実務においても欠かせない言語となっています。
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JavaScriptの難易度はどのくらい?
他の言語と比較すると、JavaScriptは次のような理由から難易度が低めのプログラミング言語といえるでしょう。
実行環境が不要
1つ目の理由として、実行環境を構築しなくて良い点があります。そして、JavaScriptはブラウザさえあればどんな環境でも動作するので、初心者がつまずきやすい点を回避できる点で難易度がグッと下がります。
対してPython、Java、Rubyは実行環境を構築するためにインストールする必要があります。
また、PCのスペックやバージョンに差異があったり、パスの設定が間違っていたりすると正常に動作しないことがあるため、原因を特定できないままでいると環境を構築できません。
直観的でわかりやすい
2つ目の理由として、動作がイメージしやすい点があります。
JavaScriptでできることで解説した通り、HTMLとCSSを組み合わせて動きのあるWebサイトを自由に作成できるため、プログラム初心者の人でも直感的に分かりやすく、C言語やJavaのような画像系の処理がとっつきにくく初心者には難しく感じてしまう他の言語より学習が進みやすい言語といえるでしょう。
さらに、JavaScriptではWebサイトを作成する程度であれば他言語と比較して難しい概念を理解する必要がありません。
他の言語への足がかりになる
3つ目の理由として、ステップアップしやすい点があります。
JavaScriptはフロントエンドエンジニアに使用されることが多いですが、Node.jsをマスターすることでサーバサイドの処理を実装できるので、サーバサイドの知識を習得しやすく、他のプログラミング言語と構文が似ていることから、Java、PHP、Pythonなどの言語への導入としても最適な言語なのです。
JavaScriptの文法と基本構造
JavaScriptでよく使用する多い文法についご紹介します。
コンソール出力
console.log(1);
ブラウザの検証ツールでコンソールに文字を出力できます。
主にプログラミングの実行結果を確認したいときに使用しますが、上記の例だと、「1」という数値がコンソールに出力されます。
数値ではなく、文字列を出力したい場合には「’’」または「””」で囲むことで出力できます。
変数宣言
var hoge;
JavaScriptの変数は「var」と宣言することで、文字列や数値などを代入できます。
近年バージョンアップしたES6では、「const」や「let」といった宣言の概念もあります。
条件分岐
var season = “summar”; if (season == “summar”){ console.log(“冷たい水をください”); } else
{ console.log(“熱いお茶をください”); }
他のプログラミング言語と同様に条件分岐としてif文を使用できます。
記述方法は言語ごとに若干異なりますが、基本構造はJava、Ruby、Python、C言語などと同じで、ifの条件に一致する場合にif内のカッコの命令が実行され、ifの条件に一致しない場合はelseの内のカッコの命令が実行されます。
上記の例だと「season」の変数に「summer」が格納されているので、if内のカッコの命令である「冷たい水をください」がコンソールに出力されます。
繰り返し処理
for (var i = 0; i < 10; i++) { console.log(“ジャンプした”); }
if文と同様に記述方法は言語ごとに若干異なりますが、基本構造は他の言語と同じで、JavaScriptでも繰り返し処理としてfor文を使用できます。
上記の例だとfor文で処理を10回繰り返しているので、「ジャンプした」とコンソールに10回出力されます。
以上がよく使用されるJavaScriptの基本文法です。
上記でご紹介した文法は他のプログラミング言語でも使用できるコードですが、JavaScriptではダイアログを表示したり、ボタンクリック時にイベントを発火したりといった独自の文法もあるので、JavaScriptを学ぶ際は開発者向けのリファレンスを確認してみることをおすすめします。
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名称が似ているJavaとJavaScriptとの違いは?
名前が似ている「Java」と「JavaScript」ですが、同じプログラミング言語という以外の共通点がないぐらいまったく別の異なる言語です。
「メロン」と「メロンパン」くらい違うと例えられることがありますが、そのくらい違いがあります。
そもそも、「Java」と「JavaScript」が似ている理由は、Javaが注目されていた時代にJavaの人気に便乗して「LiveScript」から「JavaScript」に改名されたことにあります。ですから名前が似ているだけで、開発した会社も異なれば、目的や文法も異なるのです。
Javaは多くのソフトウェアを開発できるため、主に使用するのは業務システム向けでWebアプリケーションを開発するサーバーサイドエンジニア。JavaScriptはユーザが画面の操作を行うWebサイトの処理として使用されることが多いため、主に使用するのはWebサイトを開発するフロントエンドエンジニアです。したがって、開発現場ではJavaとJavaScriptは状況に応じて使い分けられています。
JavaScriptの需要と将来性
JavaScriptが網羅する範囲は非常に広いので、フロントエンド開発やスマホアプリ開発、Node.jsを使ったWebフレームワークやサーバサイド処理など、多角的な需要と将来性が期待できます。
プログラミング学習の入り口としてJavaScriptをマスターすることで他言語習得にも応用できますし、J自作のゲームを開発して転職時にポートフォリオとしても活用できるので、未経験からエンジニアに転職する場合にもおすすめの言語です。
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まとめ
JavaScriptはフロントエンド側のWebサイトの開発言語というイメージが強いですが、Node.jsを使えばサーバサイド側の実装やアイデア次第でさまざまなゲームを開発できるので、無限の可能性を秘めたプログラミング言語と言っても過言ではありません。
また、プログラミング言語の中でも難易度が低いため、これからプログラミング学習を始めたい人にもJavaScriptはおすすめしたい言語になります。
未経験からエンジニア転職を考えている方は、JavaScriptからプログラム学習を始めてみてはいかがでしょうか。
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