フリーランス初心者のエンジニアが受注しやすい案件ジャンルとは?案件探しの方法や初案件獲得時の注意点についても解説

フリーランス初心者のエンジニアが受注しやすい案件ジャンルとは?案件探しの方法や初案件獲得時の注意点についても解説

フリーランスとしてのキャリアを考え始めたエンジニアにとって、「初めての案件をどう獲得するか?」というのは大きな不安です。特にフリーランス初心者であれば、最初の仕事が見つかる否かは大きな懸念点です。
この点、フリーランス活動のファーストステップとして適切な案件ジャンル選び、しっかり準備して臨めば、フリーランス未経験でも無理なく最初の一歩を踏み出せます。
そこで、ここではフリーランス初心者のエンジニアに向けて、おすすめの案件ジャンルや案件探しのポイント、さらには初案件獲得時の注意点について詳しく解説していきます。

フリーランス初心者は「仕事がないかもしれない」という不安を乗り越えよう!

フリーランスとして独立したばかりの頃、最も大きな不安の一つは「仕事が見つからないかもしれない」ということです。

初心者フリーランスが感じる不安の理由

この「仕事がない」という不安を抱える原因の多くは、フリーランスとしての経験がないこと、そして、独立した途端に緊張で急に自信を失ってしまうことにあります。
実際、クライアントが求めるのは「信頼できるプロフェッショナル」であり、選考では過去の実績やスキル、経験が判断基準になりますが、これまで会社員として働いていたエンジニアがいざフリーランスとして案件を探し始めると、「自分には大したスキルも実績もない」と感じてしまい、最初の一歩を踏み出すのに尻込みしてしまうのです。

不安を解消するためには?

では、どうすればこの不安を解消できるのでしょうか。それは、しっかり準備することです。時間をかけてしっかり準備して臨めば、クライアントに対して自身のスキルと経験をきちんとアピールできますし、準備する中で「今のスキルできること・できないこと」の棚卸しができるので、自信が徐々に戻ってくるでしょう
その準備の中身ですが、以下の2点に集約されます。

【スキルシートの準備】
自分のスキルや経験をわかりやすくまとめたプロフィールを作成します。これには、自分が得意とする技術や取り組んだプロジェクト、具体的な成果などを記載するのがポイントです。
具体的には以下の項目を記載しましょう。

(基本情報)
氏名・連絡先:本名と、すぐに連絡が取れるメールアドレスや電話番号を記載します。

(職務経歴)
・業務経験の概要:これまでの職務経歴を時系列で記載。プロジェクトごとに以下を含めるとよいでしょう。
・期間:開始日から終了日
・会社名やクライアント名(可能であれば)とプロジェクト名
・役割・ポジション:リーダー、エンジニア、コンサルタントなど
・担当業務:具体的なタスクや役割、使用技術
・実績:達成した成果や貢献した部分(例:プロジェクト効率を20%向上など)

(スキルセット)
・プログラミング言語:習熟度や経験年数を添えて記載します。
※例:JavaScript(5年)、Python(3年)
・フレームワークとライブラリ:React、Vue.js、Django、Springなど
・ツールとプラットフォーム:Docker、AWS、Gitなど
・データベース:MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどの使用経験
・その他技術:CI/CD、テスト自動化、セキュリティ、デザインパターン、アジャイル開発など

(業務スタイル・仕事の進め方)
・コミュニケーションツール:Slack、Teams、Zoomなど、使用可能なツール
・開発プロセス:アジャイル、スクラム、ウォーターフォールなど、対応または経験しているプロジェクト管理手法
・リモートワーク経験:リモート作業の経験がある場合、仕事の進め方や心がけていることなども記載しましょう

(資格・学歴)
・資格:AWS認定、Microsoft資格、基本情報技術者試験など、関連資格を取得している場合は必ず記載してください
・学歴:学位や修了した教育機関を記載。必須ではありませんが、信頼感を高めることができます

(言語・その他のスキル)
・外国語スキル:英語でのコミュニケーションが可能であれば記載。オフショア開発など国際的な案件において有利になる場合があります
・ソフトスキル:チームワーク、問題解決能力、リーダーシップなどもソフトスキルのアピールになります

(希望する案件・条件)
・希望する業務内容:どのような案件に興味があるのか記載。
※例:Web開発、モバイルアプリ開発、バックエンド開発など
・稼働可能な時間や働き方:週の稼働時間、リモートかオフィスかなどの希望条件を記載すると、クライアント側も選考しやすくなります

【ポートフォリオの作成】
自分のスキルを証明するために、公開可能なプロジェクトや個人で手掛けた開発物をポートフォリオとして提示しましょう。
視覚的にアピールできるポートフォリオが有効ですが、具体的には以下のような形式・内容で間違いがないよう、丁寧に作成してください。

(ポートフォリオの形式を決める)
ポートフォリオをどのように作成・提出するかは、専門分野やターゲットとするクライアントのニーズに応じて選ぶべきです。
・Webサイト形式のポートフォリオ
オンラインでいつでもアクセス可能な点がメリット。自分の名前やニックネームを使ったドメインを取得し、ポートフォリオ専用のWebサイトを作成することで、簡単にクライアントに見せることができます。
ただし、サイトのパフォーマンスやデザインにも注意を払う必要があります。

・GitHub/GitLabなどのリポジトリ
ソースコードを含むプロジェクトのリポジトリを公開するのは非常に効果的です。クライアント側にとっても、コードの質や構造を直接確認できるので便利です。

(ポートフォリオに含めるべき内容)
スキルシートの内容と重複する部分もありますが、以下の項目も簡単に記載しておきましょう。

・自己紹介:簡単な自己紹介、技術スタック、これまでのキャリア概要
・代表的なプロジェクト:自分が関与したプロジェクトの詳細を以下の点を中心に説明します。

◇プロジェクトの目的や概要
担当した部分(フロントエンド、バックエンド、インフラ、設計など)
◇使用した技術(プログラミング言語、フレームワーク、ツールなど)
達成した成果や解決した課題
クライアントやチームからの評価や推薦コメント(あれば)

フリーランス初心者のフロントエンドエンジニアにおすすめの案件ジャンル

Web開発需要の拡大に伴い、フロントエンドエンジニアのフリーランス市場は案件数も豊富です。また、初心者でも取り組みやすい案件が多いのも特徴。
フリーランス初心者のフロントエンドエンジニアは次のような案件に挑戦してみましょう。

小規模なWebサイトの制作・修正

フロントエンドエンジニアが取り組みやすい案件としては、小規模なWebサイト開発や既存サイトの修正が代表的です。HTML、CSS、JavaScriptといった基本的なフロントエンドのスキルを活かせる案件は数多くあります。

・ランディングページや個人ブログの制作
・既存Webサイトのデザイン変更やレイアウトの調整
・SEO最適化やページ速度向上のための修正

こういった案件は短期間で完了することが多く、難易度もそれほど高くないため、フリーランス初心者が経験を積みやすいジャンルと言えるでしょう。リモートワーク案件が多いのもメリット。

フロントエンドフレームワークを活用したWebアプリケーション開発

また、ReactやVue.jsなどのフロントエンドフレームワークを使ったWebアプリケーション開発もおすすめです。こうした案件は企業が運営するWebサービスのUI/UXの実装やインタラクティブなWebページの開発などに対応するものが多く、案件数も豊富です。

・SPA(シングルページアプリケーション)の構築
・ダッシュボードや管理画面のフロントエンド実装

上記は高レベルのJavaScriptスキルが必要ですが、経験を積めば高単価な案件へステップアップできるようになります。

フリーランス初心者のバックエンドエンジニアにおすすめの案件ジャンル

バックエンドエンジニアのフリーランス案件も多岐にわたりますが、どれだけスキルに自信があっても、まずは取り組みやすい案件からスタートするのがポイントです。

小規模なWebアプリケーションの開発・改修

バックエンドエンジニアにとって、小規模なWebアプリケーションの開発や既存システムの改修は非常に取り組みやすい案件。PHPやRuby、Python、Javaなどのバックエンド技術を使用し、主にデータベースの連携やAPI開発、ビジネスロジックの実装を行う案件が中心です。
特に、

・顧客管理システム(CRM)の開発
・簡単なデータ収集や集計の自動化スクリプト
・既存のWebサービスの機能追加やバグ修正
・REST APIの設計と実装
・既存APIの改善や新規機能追加

このようなものは開発に必要なスキルが明確かつニーズも非常に高いため、初案件を獲得しやすいでしょう。

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インフラエンジニアにおすすめの案件ジャンル

まず押さえておきたいのは基本的な案件です。次に、初心者でも対応しやすい案件について紹介していきます。

保守運用

インフラ領域で受注しやすい案件は保守運用です。特にAWSやGoogle Cloud、Azureクラウド環境の整備や既存システムの保守管理、セキュリティ対策、バックアップの設定などは安定したニーズがあります。

CI/CDの導入支援

継続的インテグレーション(CI)や継続的デリバリー(CD)を導入するための支援案件も、フリーランスのインフラエンジニアにとって需要が高い分野です。自動化ツールを使ってデプロイの効率化を図る案件はスタートアップや技術志向の高い企業でよく見られます。
たとえば、

・JenkinsやCircleCIの導入、構築
・自動テスト環境の整備

こうした案件はスキルの幅を広げることができ、他の技術分野への応用も可能なため、経験を積むのに非常に適しています。

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フリーランス初心者のアプリエンジニアにおすすめの案件ジャンル

スマートフォンアプリの需要拡大に伴い、アプリエンジニアのフリーランス案件は非常に増えています。

モバイルアプリの改修・メンテナンス

アプリエンジニアにとって最初に取り組みやすいのは、既存モバイルアプリの改修やメンテナンスです。特にiOSやAndroidアプリのバグ修正や機能追加といった案件は、比較的小規模な依頼が多く、フリーランス初心者でも対応しやすいです。

・新機能の追加
・既存機能のバグ修正

このような案件はアプリ開発の経験が3年~5年程度あれば十分対応できるものが多く、フリーランスエンジニアとしての良いスタートとなります。

ハイブリッドアプリの開発

また、最近ではハイブリッドアプリ(React NativeやFlutter)を使った案件も多く、初心者フリーランスでも取り組みやすいジャンルです。ハイブリッドアプリは一度の開発で複数プラットフォーム(iOSとAndroid)に対応できるため、ニーズが高まっています。

簡単なモバイルアプリのプロトタイプ開発
・既存のネイティブアプリをハイブリッドアプリに置き換える案件

これらの案件は開発工数が少なく、比較的短期間で納品可能なため、スピーディに実績を積むことができるのがメリットです。
ただし、ハイブリッドアプリ開発には一定のスキルや知識が必要であり、受注するには事前にしっかり学習する必要があります。

フリーランス初心者エンジニアが案件を獲得する方法

フリーランスエンジニアとして案件を獲得するにはさまざまな方法がありますが、よほど人脈が広くない限りは以下のようなプラットフォームやサービスの活用が近道です。

クラウドソーシングサイトを活用

比較的簡単な案件から始めたい場合は「クラウドワークス」「ランサーズ」といったクラウドソーシングサイトを活用がおすすめです。
これらのサイトには小規模なプログラミング案件や簡単なWeb開発案件が多くあり、フリーランスでの活動が初めてでも参入しやすいでしょう。

フリーランスエンジニア特化型エージェントの利用

もう一つの有効な手段として、フリーランスエンジニア特化型エージェントを活用する方法があります。特定のスキルを持ったフリーランスエンジニアと企業をマッチングさせるサービスで、クラウドソーシングよりも高単価かつ専門的でやりがいのある案件が多いのが特徴です。
たとえば、

ITプロパートナーズ
IDHフリーランス
レバテックフリーランス
Midworks

これらのエージェントではフリーランス初心者でもしっかりとサポートを受けながら案件探しができるので、経験3年~5年のエンジニアがフリーランスとして独立する際には非常に心強いパートナーになります。

ただ一点、こうしたエージェントを利用する際は、マージン(案件紹介手数料)を確認するようにしてください
エージェントを通して案件を獲得した場合、今後毎月発生する報酬からこのマージンが差し引かれることになります。マージンが低ければ低いほどエンジニア側に入る報酬は高くなるので、マージンは必ずチェックしましょう。
なお、一般的なマージンの相場は10%~30%程度であり、エージェントによって異なります。

SNSやコミュニティでのネットワーキング

フリーランスとして仕事を探す際、SNSやオンラインコミュニティも強力なツールとなります。
たとえば、X(旧Twitter)やLinkedInなどのSNSは、企業とフリーランスがつながりを持つ場として活用できるでしょう。アカウントを作っていない場合は独立を機に作ってみてはいかがでしょうか。

フリーランス初心者のエンジニアが初案件を獲得したときの注意点

フリーランス初心者のエンジニアが初めて案件を獲得する際、いくつかの注意点があります。独立して最初の段階では見落としがちな点なので、留意しておきましょう。

契約内容を明確にする

初案件だけではなく今後にも言えることですが、契約内容をしっかり確認して、曖昧な点がないかを確認することが大切です。納期や報酬に加え、どこまでが自分の業務範囲であるかを事前にしっかりと話し合っておくことで、後から「これも対応してください」といった追加の要求に対処するリスクを減らせます。

自分のスキルを過信しない

スキルに自信があるとしても、最初から難易度の高い案件に手を出すのは危険です
無理をして自分のスキルやキャパシティを超える案件を受けてしまうと、結果としてクライアントとの信頼関係を損ねることにもなりかねません。まずは、自分が対応できる範囲の案件を選び、徐々に実績を積んでいくのが賢明です。

クライアントとのコミュニケーションを大切に

クライアントとの良好なコミュニケーションはフリーランスの基本中の基本です。
特にリモート案件の場合、頻繁に進捗を報告したり、早めに不明点を確認したりする姿勢が大切
クライアントが「このエンジニアは信頼できる」と感じてくれれば、契約更新や新たな紹介案件につながる可能性も高くなります。

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まとめ

フリーランスエンジニアとして成長するためには、まず動き出すことが大切ですが、最初は小さな案件から挑戦し、決して焦らないことです。こうした小さな実績を積み上げることが、次のチャンスに繋がります。

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