フリーランスエンジニアの働き方とは?種類や会社員エンジニアとの違い、年収についても解説
「フリーランスエンジニアの働き方」と聞くと自宅で悠々自適に働くイメージを持たれることが多いようですが、実際の働き方は三者三様です。
一般的なイメージ通りの働き方であることもあれば、働き方の種類や案件によっては会社員エンジニアとほぼ変わらない働き方である場合も。
そこで、ここではフリーランスエンジニアの働き方の種類や会社員エンジニアとの働き方の違いなどを解説します。
目次
そもそもフリーランスエンジニアとはどのような働き方なのか?
フリーランスエンジニアは、個人事業主や自営業者として仕事をするエンジニアのことを指し、特定の会社や組織に雇用されずに、基本的には自分自身でクライアントを見つけてプロジェクトや業務に取り組む働き方をします。
やりたい仕事を選べること、さまざまなプロジェクトに参加して幅広い経験を積めること、スキルや成果が直接収入に反映されるため会社員より収入がアップしやすいことなどが主な特徴です。
フリーランスエンジニアの働き方は主に「常駐型」と「在宅型」の2種類
フリーランスエンジニアには主に「常駐型」と「在宅型」という2種類の働き方があります。これらの働き方はそれぞれ異なる特徴を持ち、エンジニアのライフスタイルや仕事の好みによって選択されます。
常駐型
(概要)
常駐型はクライアントのオフィスやプロジェクトの現場に直接出向いて作業を行う働き方です。プロジェクトに密接に関与し、クライアントのチームの一員として一定期間勤務することが多いです。
(特徴)
常駐型はクライアントのオフィスで直接働くことでチームとの即時のコミュニケーションが可能となり、プロジェクトに深く関与することになります。その一方、クライアントの職場環境や文化に適応する必要があります。
請負型
(概要)
在宅型は自宅や任意の場所でリモートワークを行う働き方です。インターネットとコミュニケーションツールを駆使して、遠隔地からプロジェクトに貢献します。
(特徴)
在宅型は自宅や任意の場所で仕事をすることにより、勤務時間や環境を自由に設定でき、通勤時間が不要となるため個人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
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フリーランスエンジニアと会社員エンジニア、働き方の違いは?
上記のように、フリーランスエンジニアといっても会社員とほとんど変わらない働き方になる場合がありますが(特に常駐型の場合)、実際は両者には次のような大きな違いがあります。
フリーランスエンジニアはスキル・即戦力があることが大前提
フリーランスエンジニアはスキル・即戦力があるとみなされるため、これらが不足していれば契約を切られてしまいますし、会社員のように企業から教育を受けられる機会もありません。
一方、会社員の場合は新人・未経験者はOJTを含めた研修・教育を受けられることが多く、企業側は社員を育てるスタンスをとっています。
フリーランスエンジニアはスキルや成果物によって報酬が決まる
フリーランスエンジニアは成果やスキルに対して報酬が支払われる働き方であり、会社員エンジニアのように固定給ではありません。自分が働いた分だけ報酬が得られる分、案件を獲得できなかったり、エンジニアとしての実力がそれほどなかったりする場合は収入がゼロになる可能性も。
フリーランスエンジニアは仕事を自分で選択できる
フリーランスエンジニアは数ある案件の中から興味があるものに応募できます。嫌な仕事は断れますし、仕事量も自分自身で調整可能。この点、会社員エンジニアの場合は否応なしに興味のない、または苦手な仕事に携わらなければならないことがあります。
フリーランスエンジニアは自分で仕事を管理する
フリーランスエンジニアは自身で仕事を管理する必要があり、自己管理を徹底して納期までに成果物を納品しなければなりません。そのため、突発的な事故や病気で業務が滞ったり、自身のスキルレベルを超える仕事内容だったりしても基本的にサポートはなく、状況によっては大きな責任を負ってしまうリスクがあります。
一方、会社員エンジニアの場合は万が一上記のような緊急事態が発生しても、十分なリソースがあれば他の社員が代わりに対応することができます。
フリーランスエンジニアは自身で税金を支払わなければならない
会社員エンジニアは税務処理を会社が行いますが、フリーランスエンジニアは自分で確定申告をする必要があります。
なお、会社員は社会保険料(健康保険、厚生年金保険等)を会社と折半していますが、フリーランスエンジニアは国民年金と国民健康保険の全額を自己負担しなければなりません。
フリーランスエンジニアの働き方のメリット
フリーランスエンジニアは企業に雇われない働き方です。そのため、色々な意味で“自由の身”ですから、次のようなメリットがあります。
プライベートの時間を確保しやすい
程度仕事量を調整できる場合、プライベートの時間を確保しやすい点はメリットです。
案件や契約内容によっては平日の決められた時間に働かなくても構いませんし、在宅型であれば通勤がない分、プライベートの時間が必然的に増えます。
やり方次第では会社員エンジニア時代より稼げる
フリーランスエンジニアは高いスキルがあってこその働き方。スキルと今までの経験を買われて高単価案件を獲得できれば大幅な収入アップが期待できますし、複数案件を掛け持ちすることで収入を増やすことも可能です。
会社員エンジニアは多くの場合、日本企業特有の緩やかな昇給システムに甘んじなければなりませんから、最近では「稼ぎたいならフリーランス」と考える風潮があるようです。
スキルアップのための費用を経費にできる
フリーランスエンジニアはスキルアップの為に発生した書籍やセミナー等の費用を経費として計上できます。節税対策としても活用できるので、スキルアップに積極的になれるでしょう。
職場環境や人間関係のストレスが軽減される
在宅型の場合は適度な距離感を保てるため、組織に属していた時のような閉鎖的な職場環境から離れられます。
たとえクライアント先の雰囲気に馴染めなかったり、苦手な人物がいたりしても、在宅で物理的な距離を取っていればだいぶ働きやすくなるのではないでしょうか。
フリーランスエンジニアの働き方のデメリット
日本において、フリーランスはメジャーな働き方ではありません。なぜ多くのビジネスパーソンがフリーランスではなく、企業に所属することを選ぶのか。
フリーランスには次のようなデメリットがあるからです。
仕事を獲得できなければ収入が得られない/不安定になる
エンジニアに限ったことではありませんが、フリーランスはスキルと営業力、自己管理能力など“その道のプロ”としての実力がなければ仕事が入ってきません。
フリーランスエンジニアであれば、スキルと経験が足りない時点で案件を獲得できませんから生活が成り立たなくなってしまいます。
また、実力があったとしてもクライアントから急に契約を切られてしまうこともあるため、会社員エンジニアと比べて収入が不安定になりやすいのはフリーランスエンジニアの大きなデメリットなのです。
案件の内容や受注量によっては自由どころか多忙を極める可能性がある
プライベートの時間を確保しやすいのはフリーランスのメリットですが、案件の内容や受注している仕事の量によっては会社員エンジニア時代より忙しくなり、休みが取れない状況に追い込まれる場合があります。休みたいと思っても、仕事を完了できなければ報酬をもらえない可能性がありますから、つい無理をして体を壊してしまうフリーランスも少なくありません。
成長する機会を逃しやすい
フリーランスになると収入を確実なものにするために、少々レベルが高い案件に応募することを避けるようになる傾向が出てきます。すると経験済み・得意な領域ばかりの仕事内容になってしまい、成長する機会を逃しやすくなるのです。
また、会社員エンジニアのように同僚から教わったり、指摘を受けたりすることもほとんどなくなりますから、自分自身で意識してスキルを高める努力をしなければ、何年経っても独立時のスキルのまま……ということも。
フリーランスエンジニアの年収
フリーランスエンジニアの年収はスキルや経験、使用言語などによるため、幅が非常に広くなる傾向があります。
フリーランスエンジニアの年収の中央値は?
初心者や経験の浅いエンジニアは400万円程度ということがありますし、経験豊富で高度なスキルを持つエンジニアは2000万円以上になることも。
フリーランスエンジニア向けエージェントの「Relance」がフリーランスエンジニア1000名を対象として活動の実態調査を行ったところ、年商については500万円以上800万円未満の回答が最も多かったという結果が出ています。
(参照:Relance「【2023年版】フリーランスエンジニア白書」)
このように、やはり年収には幅がありますが、フリーランスエンジニアに転向したエンジニアの多くは会社員時代よりも年収が上がるパターンが多く、同調査においても「フリーランスエンジニアになって収入は上がりましたか?」という質問に対して約54.5%が上がったと回答しています。
しかし、フリーランスエンジニアは社会保険が全額自己負担ですから、なんだかんだで出費も多いのが現実だと心得ていた方が良いでしょう。
年収に影響を与える要因
・スキルセットと専門性
高度な技術や専門性を持つエンジニアは、より高い報酬が得られます。たとえば、AIやデータサイエンス、クラウドコンピューティングなどの分野は高い需要があります。
・経験
経験豊富なエンジニアは新人や経験の浅いエンジニアよりも高い報酬を期待できます。
・プロジェクトの種類と規模
大規模で複雑なプロジェクトや、特定の技術を要するプロジェクトは、より高い報酬が得られる可能性があります。
・働き方
常駐型と請負型の仕事では報酬の構造が異なります。請負型はプロジェクトごとに高い報酬を得ることができる一方で、仕事の間に収入が途切れるリスクもあります。
・地域
勤務地によっても年収は大きく変わります。都市部やテクノロジー業界が盛んな地域では、より高い報酬が期待できます。
・市場の需要と供給
技術のトレンドや市場の需要によって特定のスキルセットの報酬が変動します。
フリーランスエンジニアの働き方が向いている人の特徴
フリーランスは自由度の高い働き方ではあるものの、向き・不向きがあります。
そのため、スキルや専門知識があっても向いていなければ独立早々後悔してしまうことも。
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次に挙げるのはフリーランスエンジニアが向いている人の特徴なので、フリーランスへの転向を検討している場合は複数当てはまっていることが望ましいでしょう。
自己管理能力がある
- 時間管理: プロジェクトの期限を守り、効率的に作業を進める能力。
- 財務管理: 収入と支出を管理し、税金や保険などの負担を自己管理できる能力。
高いスキルと最新技術を継続的に学習する習慣がある
- 高いスキル: 需要のある技術や専門知識を持っていること。
- 学習意欲: 新しい技術やトレンドを継続的に学び、スキルを更新し続ける意欲。
コミュニケーション能力がある
- クライアントとのコミュニケーション: プロジェクトの要件を正確に理解し、期待に応えるためのコミュニケーション能力。
- 営業力: 新しいクライアントを見つけ、長期的な関係を築くための営業力。
自律性と責任感がある
- 自主性: 自分で仕事(案件)を見つけ、プロジェクトを遂行する自主性。
- 責任感: 自分の仕事に対する責任を持ち、品質と納期を守るプロ意識。
リスク許容度・柔軟性がある
- 不安定な収入への対応: 収入が不安定であることを受け入れ、それに対処する能力。
- 不確実性への対処: プロジェクトが常に保証されるわけではないため、不確実性に対処できる心構え。
プロジェクト管理能力がある
- 複数のプロジェクトの管理: 同時に複数のプロジェクトを効率的に管理する能力。
- 問題解決能力: プロジェクト中に発生する問題に対して、柔軟かつ効果的に対処する能力。
マーケティングとブランディング
- 自己マーケティング: 自分のスキルとサービスを効果的にクライアントにアピールする能力。
- 個人ブランドの構築: 専門性を際立たせ、信頼を得るための個人ブランドの構築。
以上のように、フリーランスエンジニアにはこのような複数の要素が必要となりますから、スキルがあれば誰でもできるものでありません。
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まとめ
IT業界は他と比べると自由度が高い働き方ができる業界ですから、単に「リモートがいい」「出社時間は自分で決めたい」といったようなことが目的であればフリーランスという厳しい道を選ばなくても、転職で実現できます。
現状に不満があっても「何が何でもフリーランス」と意固地にならず、柔軟な姿勢で今後のキャリアを考えるようにしましょう。
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