エンジニアにおすすめの転職サイトとそれぞれの特徴、応募の際の注意点
エンジニアが転職を決意したときに最初にすること。それは転職サイトをのぞくことではないでしょうか。
そこで、ここではエンジニアにおすすめの転職サイトと、それぞれの特徴、転職サイトから応募する際の注意点について解説します。
「転職サイト派」は健在!転職エージェントより転職サイトが選ばれる理由
「リクナビ」をはじめとする”求人広告のインターネット版”が90年代に登場して以来、「仕事探しはすべてサイト経由」というパターンが圧倒的に多くなりました。
90年代後半に入り雇用の流動化が本格化すると転職エージェントの存在感が増し始め、徐々に利用者を増やしていきましたが、現在でも転職サイトは転職活動の手段として不動の地位を確立しています。
厚生労働省が実施した「令和2年転職者実態調査」によれば、転職活動の方法として最も多かったのは「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」で39.4%を占めており、次いで「ハローワーク等の公的機関」が34.3%、「民間の職業紹介機関」(転職エージェントはこれに該当)は14.8%でした。
このデータに基づけば、今でも依然として転職サイトが多くの求職者に支持されていることがわかります。
転職エージェントを利用すればキャリアコンサルタントによる履歴書・職務経歴書の添削や面接対策、内定後の給与交渉に至るまで手厚いサポートが受けられるにもかかわらず、それでもなぜ、転職サイトが選ばれるのか。
それには次のような理由、転職サイトならではのメリットがあるからです。
他人に干渉されず、自分のペースで応募できる
転職サイトを軸にした転職活動では求職者一人で企業の選考へ挑むことになるため、内定を勝ち取るまで孤独な戦いが続きます。しかし、自分のペースで応募できる自由があることも確か。
転職エージェントを利用すると通常、求人の紹介やキャリア面談、企業との面接日程の調整などでコンサルタントから頻繁に連絡があるため、「正直煩わしい」と感じてしまうこともあるでしょう。
また、コンサルタントからの強いすすめに押され、さほど興味がない求人に応募してしまい、時間を無駄にするパターンもよく聞きます。
自分の希望・意思を最優先できる
転職サイトでは掲載されている求人の中から求職者が惹かれるものを選び、企業に直接応募できるので、自分の希望・意思を最優先に考えて転職活動を進められます。
一方、転職エージェントを利用する場合はこのようには行きません。というのも、転職エージェントは求職者を企業に紹介し、採用・入社が決定することで企業から紹介手数料を得て利益となるため、求職者の希望からは若干逸れた求人であっても採用可能性が高い場合は強くすすめてくることがあるのです。
逆を言えば、求職者がどれだけ強く希望する求人があっても、コンサルタントに採用可能性が低いと判断されれば素っ気なくされることも十分あり得ます。
スカウト機能で企業から直接連絡が来ることも!
転職サイトによっては企業から直接声がかかるスカウト機能が付いていることがあります。
優秀な人材を探している企業は求職者が登録したレジュメを基にスカウトを送る仕組みであり、良いご縁となるばあいもあれば、選考が進むうちに「ご縁がなかった」となることも。
いずれにせよ、結果的に企業と求職者の希望と思いがマッチすれば、いいご縁となる可能性が高くなるでしょう。
以上のようなメリットから、転職サイトは転職活動の定番手段として求職者から根強い人気があります。そのうえ、現在は雇用の流動化がどんどん進んでいますから、このような労働市場の状況に併せて転職サイトも急増しました。
しかし、一体どのサイトを使えばいいのかわからなくなっている求職者がいるのも事実。
特に需要が高く、求人数が多い職種ではその傾向が顕著であり、IT業界のエンジニアはその一つです。
<年収や仕事内容など現状に不満があるエンジニアこそ歓迎!給与還元率83%・案件自由選択制のアイ・ディ・エイチとは?>
エンジニアにおすすめの転職サイトとそれぞれの特徴
転職サイトが乱立するこの時代に、エンジニアはどのようにして自分に合った転職サイトを選べばいいのでしょうか。
ここでは、エンジニアにおすすめの転職サイトを実務経験や年齢、希望する年収などに分けて紹介します。
実務経験や年齢にかかわらずおすすめできる総合型転職サイト
多種多様な業界・職種の求人が集まる総合型転職サイトは求人数が圧倒的に多く、未経験から高年収を狙えるキャリア層までオールマイティに対応できる汎用性の高さが特徴です。
リクナビネクスト
リクナビネクストは株式会社リクルートが運営する総合型転職サイトであり、抜群の知名度を誇ります。新卒の就職活動で「リクナビ」を利用した方なら、そのときの信頼感や安心感で何となく同系列のリクナビネクストを利用する方がいらっしゃるかもしれません。
知名度を支えるのは日本一ともいわれる求人数や大手・人気企業、そしてミドル層歓迎の企業まで揃う求人の幅広さ。
求人数が多いため若干検索にづらいところはありますが、日本全国のエンジニア求人が集まっているので地方在住者の方でも居住地に近い職場が探せるでしょう。
なお、転職エージェントを併用したい場合は、レジュメ登録時の簡単な設定で転職エージェントと連携できます。
doda
doda(デューダ)はパーソルキャリア株式会社が運営する総合型転職サイトです。
バブル期の転職ブームの最中に誕生したdodaは紙媒体時代から数えて30年以上も若手社会人に親しまれてきた歴史があり、リクナビネクストに次ぐ知名度を誇ります。
ターゲット層は20代~30代後半あたりまでの業種・職種経験者や専門職であり、対象エリアは日本全国と海外。エンジニアの場合はまったくの未経験からスタートできるSESの求人から自社開発を行う事業会社の求人まで揃っているため、エントリーレベルから実務経験3年以上の中堅、10年以上のベテランまで幅広い層の求職者が利用できます。
企業から直接オファーが届くスカウト機能や転職エージェントとの連携サービスもあるので、こうしたサービスも同時に活用したい方にもおすすめです。
エンジニア、IT業界特化型転職サイト
「エンジニア求人だけをチェックして無駄を省きたい」という方におすすめなのがエンジニアやIT業界の求人に特化した転職サイト。実務経験3年未満のエントリーレベルからベテランエンジニアまで求人の幅が広く、企業の事業内容や規模も実にさまざまなのが特徴です。
Type
株式会社キャリアデザインセンターが運営するTypeは100%エンジニア求人に特化しているわけではないものの(営業や事務、財務などの求人もある)、掲載求人の大半がエンジニア職です。
主に中小・ベンチャーの優良IT企業の求人が揃っており、若手から中堅エンジニアまで幅広く対応。IT業界では求人数・質ともに定評があります。
「技術を向上させたい」「ライフワークバランス重視」などの働き方の志向やFin Tec(フィンテック)やHealth Tech(ヘルステック)などのX Tech(クロステック)の種類から求人を検索できるのも非常に便利で、エンジニアに寄り添った転職サイトであることがわかります。
Green
株式会社アトラエが運営するIT業界特化型の転職サイトです。2006年のリリース以来着実に利用者を増やしており、SNSで広告を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
Greenがターゲットとするのは30代前半あたりまでの経験者であることから、掲載されている求人も会社の規模にかかわらずレベルが高く、年収1000万円以上を狙える求人も。
また、Greenは、企業が応募や採用の成果が発生したときにサイトの運営会社への報酬を支払う成果報酬型転職サイトであることも特徴です。したがって、Greenに求人を掲載する企業は基本的に「人が足りないので採用したい」というより「いい人がいたら採用する」というスタンスなので、ほかの転職サイトを比べると選考の難易度が若干上がる可能性がある点は留意しておきましょう。
高収入を狙えるハイクラス・ベテラン向け転職サイト
需要が大きく、将来性の高いIT業界のエンジニアであれば、一度は年収1000万円以上のキャリアを想像したことあるのではないでしょうか。
次の転職サイトは、高収入を狙うエンジニアにおすすめのハイクラス・ベテラン向け転職サイトです。
ビズリーチ
ビズリーチは株式会社ビズリーチが運営する、即戦力のハイクラス人材向けの転職サイトです。「ハイクラス」と謳っているだけあり、集まっている求人の3分の1は年収1000万円以上。
そうなると、当然ながら求職者にもそれなりのレベルが求められますから、ほかの転職サイトのように誰でも自由に登録できるわけではありません。なんと登録・利用には審査があり、第三者による客観的なチェックが入ることによって登録者(求職者)の質が保証されるというわけです。
また、ビズリーチのもう一つの特徴は「企業によるスカウト待ち」が基本であるという点です。
求職者自ら企業の求人に応募するわけではないので、企業側が「これは!」と思う人材でなければスカウトは来ません。そのために最初の段階で審査が必要なのです。
一般的な転職サイトに慣れている場合は少々戸惑うかもしれませんが、審査に合格して登録できた場合は今までのキャリアに自信を持てるようになりますし、実際に年収1000万円以上のポジションを獲得できる可能性が高くなります。「我こそは」と思う方は登録してみましょう。
ビズリーチには無料プランと有料プランが用意されていますが、すべての求人を閲覧できるのは有料プランのみ。エンジニアとしてのスキル・経験が十分あり、年収1000万円以上を強く希望する方は思い切って有料プランを利用してみるのもアリです。
※有料プランの会員になると求職者が直接求人に応募できるようになります。
転職サイトから応募する場合の注意点
前述の通り、転職サイトを利用するメリットは自由度が高い点にありますが、トラブル発生時は自分自身で対処しなくてはなりません。
「こんなはずでは……」と後悔しないためにも、次の点に注意しましょう。
求人に応募する前に企業の評判を調べておく
良い求人だと思い、舞い上がってそのまま応募した後に評判がよくない会社だと判明することがあります。今の時代は企業の口コミサイトが複数ありますから、応募前に面倒くさがらずに応募企業の情報について調べておきましょう。悪い評判を知った後、慌てて辞退連絡する手間が省けます。
レジュメを見直し、しっかり面接対策をする
すでに転職経験がある方でも、再度レジュメを見直して更新すべき情報がないかどうか確認しておきましょう。数年前の古いレジュメをそのまま提出してしまうと面接時にいろいろと説明することが多くなって肝心の自己PRの時間が少なくなりますし、何より企業側にいい加減な人だと思われてしまう可能性が高くなります。
また、志望度にかかわらず、面接が決まった場合はしっかり面接対策をしたいところです。
「IT業界は意外にも狭い」という声がありますが、いい加減な気持ちで臨んだ面接で不快にさせてしまった企業と、今後どこかでお付き合いすることになる可能性もあるからです。
スカウト機能を利用する場合は「企業ブロック設定」を必ずチェック!
現在在籍中の企業に転職活動を知られたくない方は、スカウト機能の「企業ブロック設定」で在籍中の会社に自分のレジュメを見られることがないようにしておきましょう。
企業が新たな人材発掘のために転職サイトでスカウトしていた際、偶然にもあなたのレジュメに当たってしまうことがあるからです。
過去に在籍していた企業にも知られたくない場合は、こちらも忘れずにブロック設定してください。
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まとめ
転職活動を続けていると、「本来の転職の目的=軸」がブレてしまうことがあります。
軸がブレたまま選考に臨み、無事採用されたとしても、いつかそのブレは転職後の新たな悩みとして浮上してきますから、時々立ち止まって「自分は一体何を求めて転職活動をしているのか」と自問自答するよう心がけましょう。
転職活動では「軸」を大切に!
(参考)
厚生労働省「令和2年転職者実態調査」
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